町田駅周辺の煮干しラーメンと言えば、圓の紹介を以前行った。圓と同じく線路沿いの栄えていない辺鄙なところに、やはり評価が高い煮干しラーメンの店があるということなので、折角だからお邪魔した。
いぶし銀という店名のわりにオープンな雰囲気の店である。客層も若者が多く、店の扉の横にはなれの部分があって、オープンカフェの如く外の空気を吸いながらラーメンが食べられる。学生の一団なのか、やんややんやうるさい客層だった。
店内はカウンター10席程。先客が1人、カウンターに座っていた。この分なら注文はスムーズにやってくるだろうと思い、スタンダードらしき煮干しラーメン『ジャパン』800円を頼んだ。煮干しラーメンの名前は『ジャパン』。その他、『ターボ』『GT』等の名前のラーメンがある。このあたりが若者にウケている要素なのかもしれない。
注文してから結構経っても、ラーメンが中々やってこなかった。なるほど確かにカウンターを見渡して先客は一人だが、先程のはなれの学生グループも客にカウントされるのだから、実際は結構長い行列に並んでしまった状態と同じなのだ。しかしまあ、そういったことを除いても、注文が出てくる早さにはあまり期待しない方が良い店かもしれない。
出てきたラーメンは、魚介系と動物系の合わせスープを油膜でコートした、永福町大勝軒のようなタイプ。メンマに海苔にシナチクが乗っている絵面は、昔ながらのラーメンと言った感じであるが。
同じ煮干しラーメンで最近流行の系統である圓とは異なり、煮干しの存在主張は苦み・エグミよりも香りだ。そのため、圓のようなラーメンを期待するとアテがはずれるかもしれない。スープで複雑なことになっている感がして、その点が少し惜しいと思った。脂に煮干しの香りがつけられているのだろうが、これもギトギトした感覚を最後まで残して(細めのちぢれ麺がうまく脂を掬ってくれないのかもしれない)惜しいポイントである。
チャーシューや海苔の一手間は好印象。値段のことを書くならば、800円に相応しい手間はかかっていると思う。ただ、全体が惜しいのよね。
でも、これだけ手間や工夫がかかっているラーメンを出すなら、他のメニューに興味も湧く。煮干しという先入観にとらわれないで、また時間をおいてトライしてみよう。
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