町田の神奈中バスがほぼ中乗り前降りになるよ

神奈川中央交通(以下神奈中)の発表によれば、来る2017年3月21日(火)より町田営業所と多摩営業所を所管とする路線の神奈中バスが、一部の路線を除いて従来の前乗り前降り方式から全国的に主流の中乗り前降り方式に変更されるということである。

神奈中の前乗り前降りは、神奈川県の象徴だった

路線バスでありながら、前乗り前降りのバス。車体に前扉と中扉の2つがついているのに、中扉は始終点以外での乗降車に使わない。この他県からやってきた人間に初見殺しで恥をかかせようとする素敵な仕様は、神奈川県らしさの象徴でもあった。幼い頃から神奈中バスの前乗り前降りトラップに引っかかる他県民を見て、子供は神奈川県民であることの優越感を得るのである。それが失われてしまう今回の改悪。これからはどのようにして他県民に対する優越感を得れば良いのか、神奈川県のイイところなんてひとっつも(ひとっっっっつも)無いじゃないか…という嘆きの声が聞こえる。
と言っても、実は町田以外の神奈川県では既に対応が終わっている。お隣の相模原市なんかも、しれっと2013年に中乗り前降りになった(津久井ですら!)。町田市が最後まで残ったのは、やはり東京都との境にあるということで、東京からやってきたシティ・ボーイどもに神奈川県の洗礼を浴びせさせる防波堤として町田が最後まで機能していたからだろう。

想定される影響

多分混乱する町田市民が出る。今度は前扉から乗ろうとする市民に対して、バスに乗っている乗客が優越感を得る番だ(もしや…これは町田市民の鉄の結束を解こうとする陰謀かもしれない!)。
市民の側からは、神奈川県の伝統文化に対する冒涜だ!として反発が必至。過激派によって神奈中バスの中扉が全て溶接される事件が起こってもおかしくはない。

取り得る対策

いっそ町田市内を全部均一料金区間にして、前乗り中降り、つまり東京23区内や横浜市内の方式に変えるのだ。前乗りについては従来通りなので混乱が少ないし、乗客がうっかり前扉から降りてくれれば、運賃が2回取れる。神奈中にとっても得しかない。
さらに、これまで神奈川県方式の前乗り前降りだったことにより、多摩市とか稲城市とか八王子市とかの中途半端な東京都民に、「神奈川」とか「神奈川県民」とか悪質なヘイトスピーチを食らっていたのが、もう立場は逆転である。ヤツらにとって東京23区民というのは絶対に逆らうことの出来ない支配者階級であるので、町田市内のバスに中乗りを敢行しようとするヤツらに、「ン…?ここ東京23区内なんですけど」と言ってやれば、「スイッマセンデシタァアァァ」となり、そのままバス発車します。

…というか、なんで神奈中は前乗り前降りだったの?

昔のバスは運転手と車掌さんの2人体制で、乗車してきた人に車掌さんが乗車券を販売。降車時には券を回収して降車用の扉を開けていた(鉄道の地方ローカル線でよくあるやつ)。それに対して神奈中は人件費を下げるため、1962年に運賃均一区間でない路線バスとしては日本で初めてワンマン運行を始めた。その方法として頭をひねらせて考えたのが、運転席の横にどこから乗ったかわかる乗車札を下げておき、乗車時に乗客に持たせる。乗客が降りるときにその札に対応した運賃を払わせて、同時に札を回収するというもの。
つまり現在のような発券機がなく、乗車札が使い回しだったので乗務員(ワンマンなので、運転手)の目の届く所に設置しなければならなかったのだ。その影響でバスは前乗り前降りに。印刷式発券機が導入されても、日本初というプライドがあったので(いや、建前としては利用者に混乱させないためとかだろうけど)そのまま前乗り前降りを続けていた。

それがなんで今更中乗り前降りに変えようとなったか、というと、バリアフリーの風潮によるもの。ノンステップバスであれば、中扉から車椅子での乗降ができる。というわけで中扉を入口にしたのでしょうな。

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