いよいよこじれてきた!以前紹介したリニア中央新幹線の相模原市内駅(橋本駅(仮))が、大深度ではない地下部分に建設されることで、座間市方面に伸びる地下水脈を遮断するのではないかという問題。座間市側は6月18日にJR東海に対して質問書を送付、回答期限を7月18日までと設定したようだ。
質問書は、座間市のホームページにて一般公開されている。
座間市提出質問書の内容
座間市がJR東海に提出した質問書は、なんというかグループディスカッションで出てきた意見をそのまま書き出したような、JR側の行った調査に対してこういった方面からの指摘もできるのではないかというアイディアに溢れたものとなっている。また、質問書という文書のタイトルと裏腹に、橋本駅(仮)を大深度に作れよという座間市側の提言も含まれている。まとめてみると、大体以下のような感じだろうか。
- JRの調査はココが不十分!
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- 現場の透水係数が重要なのでもっとボーリングやるべし(具体的にどれくらいの精度が必要かは言及しないけど)
- 解析範囲が相模原市内で終わっているけど、座間市も含めろよ
- 工事後の建物が地下水に与える影響だけ調べているけれど、工事中の影響も調べろよ
- さっき解析範囲広くしろと言ったけれど、もっと狭い、建物周辺だけの時間変化データも用意しろよ
- 計画だと駅周辺だけトンネルが浅くなるけど、駅の両側の勾配に沿って水が流出する可能性考えろよ
- 作っちゃった後に出る影響について、早めに対策とれば安心と言ってるけど、具体的に?可能な限りあらゆる環境対策とれよ(本当に言ってます)。あと、トンネル部分について言及がないけど、こっちもちゃんと対策を明言して下さるんですよねぇ?
- 提言しまーす
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- 橋本駅(仮)を大深度に作れば全部解決するんじゃないの?地下水(と、座間市の要望)に配慮した工事にすると、かなりお金掛かるけど、大深度にすれば解決するよ。駅の利便性は減るだろうけど
まあ、上の内容でも7割くらいは合っているのではないかと思う(笑)。地下水は座間市の死活問題。ごもっともな指摘が多い方だとは思うけれど、大深度に計画を変更しない限り無限に食い下がるのではないかという気もしないではない。
今後地下を使う可能性があるのは、リニアだけではないが…
今回の要望質問はリニア中央新幹線についてのものだが、将来的に相模原市の地下を使う可能性のある路線というのはもう一つある。何度か紹介もしている小田急多摩線だ。こちらも町田市と相模原市が交わした覚書の中で、町田市にできる中間駅部分は地上だが、その先上溝駅の直前までは地下を通り、相模原駅も地下部分にできるという計画が示されている。地下部分が南東に向けて伸びる地下水脈と直交することは避けられないわけで、計画が具体化したら、やはり小田急電鉄に向けて今回と同じような物言いがつくだろう。むしろ今回のリニアに対する物言いが、より少ない予算規模での検討をしなければならない小田急に対して、延伸を尻込みさせるための布石ではないかというのは考え過ぎだろうか。
一応、大深度という落としどころが提示されてはいるので、無闇矢鱈な反対というわけではないだろう。リニア橋本駅(仮)が出来て、大深度での建設が地下水脈に全く影響を与えませんでしたという前例が出来れば最も丸く収まるのだろうけど…
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