昨年9月に行われた、在日米軍相模総合補給廠一部分の返還、国への引き渡し。それにより相模原市内でも未だ未開発感の強いJR相模原駅周辺を、相模原新都心として新たに開発するという計画がにわかに現実味を帯びてきた。
地中化する小田急多摩線に合わせて、JR横浜線も地下に?
相模原新都心の実現には、一駅となりの橋本駅近辺に出来るという、リニア中央新幹線の神奈川県駅の開業、そしてそれに伴う連絡鉄道路線の増強がまず前提条件となっている。今回返還された相模原駅の北側部分の内、さがみ夢大通りに正対する直線部分2ヘクタールが国から相模原市に無償貸与され、地上部分が道路、地下部分に鉄道を通すという構想が市によって唱えられている。相模原駅までのびる予定の路線は、不自然に唐木田駅で終わってしまっている小田急多摩線。この路線を唐木田以降で地中化し、相模原駅まで繋げようという話だ(あとは小田急電鉄が乗り気になってくれるかであるけれど)。
現在のJR横浜線は地上路線であり、現状のままであると地中化予定の小田急線相模原駅との乗り換えは不便である。そういった問題を解決しつつ、高架化されておらず南北通行の妨げとなっている横浜線を新都心部分で地中化させることも目論見として、相模原市は今後JR側に市内における路線・駅の地中化を要請していくとのことである。
もろもろ地中化で、座間市の地下水遮断問題はどうなる?
新都心計画では、このように鉄道路線の地中化がキーワードとなるようである。しかしながら、リニアの地中化計画で判明したのは、相模原市内での地中化工事が、遠く離れた座間市において地下水の採取に影響を与える可能性があるということ。座間市では水道水源の過半を地下水に頼っており、また市内の工場などで地下水利用を行うケースもある。
この地下水遮断問題について、座間市側ではJR東海に質問書の送付、そして要望書の送付など再三説明を求めているのだが、座間市側で納得のいく回答を得ることが出来ていないようである。そうした状況での、新たな地中化計画の露呈である。地中化計画をまとめて発表してしまえば、個々の発表の際に都度のいちゃもんをつけられなくて済むだろうという相模原市側の思惑も感じなくはない。
とはいえ、地下水遮断疑惑があるリニア中央新幹線ルートは、今回地中化計画が明らかになったJR相模原駅周辺よりは西側である。横浜線と小田急多摩線延伸部分が、うまく地下水流路を避けてくれていることを願おう。
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